バージンココナッツオイルの可能性 ~肥満が引き起こす骨減少症への効能~

バージンココナッツオイルの可能性 ~肥満が引き起こす骨減少症への効能~

2024年5月

世界各地から発信される最新の研究報告をお伝えします

今月のグローバルスキャンは2022年9月に発表された論文を要約してお届けいたします。

はじめに

肥満になると体内でインスリンが効きにくくなり、糖尿病や脂質異常症、心血管疾患などのさまざまな代謝異常のリスクが高まります。

また、肥満は骨が硬く丈夫になるプロセスを妨げ、骨折のリスクを高める可能性がこれまでの研究で示されています。

特に肥満が骨に及ぼす悪影響は、人間の骨格で最も長い大腿骨(だいたいこつ)だけでなく、歯を支える歯槽骨(しそうこつ)でも見られます。

現在の知見では、肥満や骨粗しょう症などの原因となる酸化ストレスや炎症を、食事によって改善する可能性が示唆されています。

そこで注目されるのが、その抗酸化物質と中鎖脂肪酸を豊富に含み、健康上の利点を多くもたらすとされるバージンココナッツオイルです。

今回の研究では、バージンココナッツオイルの摂取が肥満の改善に寄与し、骨の健康を促進する可能性を検証しました。

どのような研究?

ブラジルのミナス・ジェライス連邦大学の協力を得て、計12週間にわたり実施されたこの研究では、体重が基準値内のマウス24匹を対象にしました。

これらのマウスをグループA(8匹)と残り16匹にランダムに分け、16匹のマウスには肥満を誘発するために炭水化物を豊富に含む飼料を8週間与え、グループAには通常の飼料を与えました。

その後、肥満を誘発した16匹を8匹ずつの2つのグループBとグループCにランダムに分け、グループCには炭水化物豊富な飼料に加え、バージンココナッツオイルを残りの4週間与えました。 (図1参照)

試験の結果

⓵肥満指数(BAI)

炭水化物を豊富に含む飼料を与えて肥満を誘発したグループと比較すると、肥満を誘発後にVCOを摂取したグループCの数値は有意に低い結果になりました。 (表1参照)

②大腿骨(太もも)の骨密度

VCOを摂取したグループCの骨密度は肥満を誘発していないグループAより高く、グループBと比べても顕著に高い数値が算出されました。 (表2参照)

③歯槽骨の骨密度

大腿骨の骨密度と同様に、VCOを摂取したグループCの数値は有意に高くなり、肥満を誘発していないグループAと同等の数値が示されました。 (表3参照)

図挿入(表1.2.3)

さいごに

本研究の結果、バージンココナッツオイル(VCO)の摂取が肥満と骨の健康状態改善に寄与し、大腿骨および歯槽骨の損失を予防する可能性が示されました。

VCOに含まれる抗酸化・抗炎症作用を示すポリフェノールとビタミンが、骨の状態改善に寄与している可能性があり、それを証明するためにはより大規模な研究が必要になります。

参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9498055      

 訳:Nanami Hamashita